ユーロ/円相場は、1ユーロ=130円の節目を挟んで揉み合う展開になっている。8月12日には一時127.98円まで軟化していたが、その後は欧州経済指標が総じて良好な内容になっていることが好感され、再び地合を引き締めている。
ここにきて、ユーロ圏の経済指標に堅調なものが目立ち始めている。8月14日に発表されたユーロ圏の4~6月期国内総生産(GDP)は前期比+0.3%となり、市場予測の+0.2%を上回っている。ドイツとフランスが牽引役となる基本構造には変化が見られないが、金融市場の安定化がユーロ圏経済を押し上げ始めていることが、素直に好感されている。今週は8月製造業購買担当者指数(PMI)の発表が控えているが、市場予測では景況判断の境目となる50を上回ることが予測されており、ここでユーロ圏経済に対する信認が一段と強まる事態になると、ユーロサイドからユーロ/円相場も一段と押し上げられる可能性がある。
ドイツ連邦銀行は8月19日に発表した月報で、欧州中央銀行のフォワードガイダンスについて、「強制力のあるものではない」とした上で、「より強いインフレ圧力が顕在化した場合の政策金利の引き上げの道を絶つものではない」として、低金利政策の長期化見通しが履行されない可能性について言及している。これを受けて一時ユーロが急伸する場面も見られたが、さすがに早期利上げ観測を織り込むような動きはみられず、継続的なユーロ相場の押し上げ要因にはならないだろう。米金利上昇でドル/円相場が底固さを再確認する中、ユーロ/円も底値保ち合いからやや強含みの相場展開を想定している。
テクニカルでは一目均衡表の雲でサポートされており、129.39円が支持線になる。ターゲットは、7月24日高値の132.74円。サイコロジカルは、前週の5勝7敗から変わらず。14日RSIは46.74。